マレーシアでは独立後、州政府に土地を管理・所有する権限が与えられてきましたが、現在は大手不動産開発会社となっている当時のプランテーション事業者に譲渡された土地等が、「フリーホールド(永久所有権)」の土地として開発されている一方、その他は州政府より土地を一定期間借り受ける「リースホールド(期限付き借地権)」として開発されています。


マレーシアの「リースホールド」期間は、30、60、99年などが一般的ですが、コンドミニアムは「99年」程度と長期間のものが大半です。一部の州では期間が999年と、ほぼフリーホールドと呼べるものもあります。 マレーシアでは、半数以上が「リースホールド」物件という事実が示す通りメジャーな権利形態であり、一般的な建物の耐用年数を大幅に上回る期間が設定されていることも加わって、「フリーホールド」「リースホールド」は大差なく取り扱われています。 特に、リース残存期間が50年以上であれば、物件価値、転売時の評価、銀行のローン審査などへの影響もほぼ無く、「残存期間50年以上の場合、価格への影響はない(National House Buyers Association)」「リース期間がローンの残存期間を上回っていれば、融資する上で問題はない(マレーシア主要銀行)」との見解が示されています。 実際、権利形態よりも「ロケーション」が重視されるマレーシアでは、生活・交通上の利便性が優れた「リースホールド」物件が、その面で見劣りする同程度の「フリーホールド」物件の価格を上回って取引されることも良くあり、価格上昇ペースにも際立った違いは見受けられません。 エリアによっては、今後発展が見込まれる一帯が州政府の土地=「リースホールド」という事もありますので、リース期間が99年など長期間で設定されていれば、居住・投資いずれの場合でも、権利形態より将来性やロケーション重視で選択するのが賢明といえるでしょう。


居住用の「リースホールド」物件の場合、公共工事の実施など、州政府が拒否する理由が特段なければ、更新料を支払うことでリース期間の更新が原則として認められています。 また、州政府に支払う更新料は「土地の市場価格×0.25%×更新年数」(1000万円相当の土地で約25,000円/年)とされています。